就活相談Q&A

内定承諾に悩んだ時、考えるべき3つのポイント

倫理憲章により、スケジュールが大幅に変更された2016年卒の就職活動。現在の内定先企業に決めるか、大手企業の面接解禁を待つか、もっと活動先を広げるか…内定獲得後も続けようと思えば続けられる就職活動。皆さんはいつ「就職活動終了」を決断しますか?そこで今回は、2つの事例から「内定承諾に悩んだ時、考えるべき3つのポイント」について考えます。

作成:長谷川 忍, 2015.07.08

【事例1】内定後、就職活動を終了したAさん

元々大手志向が強かったAさん。志望している総合電機メーカーの面接は8月から開始予定です。志望企業の選考までに面接慣れをしたい、またもっと良い企業があれば8月までに検討したいとのことで、DODA新卒エージェントを利用されました。
ご希望をお伺いするなか、Aさんは大手企業の安定感に魅力を感じる一方、自信を持って活躍できる人材になるため仕事を通じて成長したい、という非常に前向きなエネルギーをお持ちの方と判明しました。そこで業界トップシェアを誇る製品で安定した経営基盤があり、若手が活躍している中堅メーカーと、これまで視野には入れてこなかったコンサルティング会社と2社の求人をご紹介。見事2社両方から内定を獲得され、迷った末に総合電機メーカーの選考は辞退し、就職活動当初はまったく検討していなかった、コンサルティング会社への入社を決断されました。

【事例2】内定後、就職活動を継続しているBさん

幼いころからキャビンアテンダントに憧れていたBさん。ご家庭の事情で就職浪人をすることは難しく、もっと選択肢を広げたいと、DODA新卒エージェントを利用されました。理系出身でコミュニケーション上手なBさんの「専門性の高い仕事がしたい」というご希望から、従業員数100名程度のバイオベンチャーをご紹介。選考過程で接した面接官がいずれも優秀であったこと、また事業の将来性と社会貢献性など多くの点に魅力を感じ、企業からも見事内定を得ることができました。しかし幼いころから憧れだったキャビンアテンダントの道をあきらめることができず悩んでいたところ、Bさんご自身の評価の高さに加え、キャビンアテンダントへの想いを当初から率直に面接官へ伝えていた点が評価され、「Bさんが納得するまで就職活動を続けてよい」という企業の特別な計らいにより、内定保留のまま、現在も引き続き就職活動を行っています。

内定承諾に悩んだ時、考えるべき3つのポイント

早期に入社を決めたAさん、「納得するまで就職活動を続けてよい」と内定先企業に言われたBさん。2人の就職活動には共通点があります。

1.常に誠実なコミュニケーションを心がけましょう

企業人事担当者は、学生の皆さんが様々な企業を比較検討していることは当然理解しています。しかし、「内定をいただけたら絶対に入社します」と言われ期待していた学生の方から内定後、「実は迷っています」と聞かされるのは人事担当者として正直気持ちの良いものではありません。選考中から「御社の○○な点に非常に魅力を感じている」と前向きな気持ちを伝えた上で、入社に迷いがある場合は、内定承諾の時期などを人事担当者に率直に相談してみましょう。直接伝えにくい場合は私たちエージェントを介していただいても大丈夫です。常に誠実に対応したことで内定獲得を得ながらキャビンアテンダントへの夢に向かって就職活動を継続しているBさんのように、「納得できる就職活動」のチャンスが生まれます。

2.現場の社員と会い、イメージを具体化しましょう

可能であれば、内定獲得前後に現場社員と話す機会をいただきましょう。コンサルティング会社への入社を決断したAさんは、多くの現場社員と出会うことで、徐々に自分の成長イメージを思い描くことができるようになったそうです。入社への迷いは、内定先企業で働くイメージが湧かないことに起因する場合が多いもの。内定獲得後であれば、面接中には聞きづらかったことも安心して聞くことができます。「面接官とは異なる年代の社員と会う」ことも、よりイメージを具体化するポイントです。

3.内定先企業への志望度をじっくり考えましょう

「内定先企業への入社」。その判断基準はどこですか?自問自答しながらじっくり考えてみましょう。
【第一志望の企業に落ちたら入社】→決断の基準が明確なので、内定を保有したまま第一志望の企業を受けましょう。
【もっと良い企業があるような気がするから就職活動を続けたい】→まだ考え尽くせていない証拠です。明確に「何が」「どうなったら」内定先企業に入社したいと思えるようになるのか、決断のポイントが明らかになるまでしっかりと考えましょう。
【この先他の企業の選考に落ち続けたとしても、恐らく入社しない】→早々に辞退した方が良いかもしれません。入社するつもりのない企業の内定を持っていても、精神的な安心にはつながらないケースがほとんどです。思い切って内定を辞退して退路を断てば、その後の就職活動により一層身が入るかもしれません。

皆さんの就職活動が納得のいくものとなるよう、応援しています。

【作成者】長谷川 忍(ハセガワ シノブ)
新卒で株式会社インテリジェンスに入社し、中途採用領域DODAのキャリアアドバイザーとして約2000名のキャリアカウンセリングを実施し、300名以上の方を転職成功に導く。米国CCE Inc.認定 GCDF-japanキャリアカウンセラーも取得。その後、新規事業「新卒紹介事業」に参画。現在は面接対策講座や学生向け就職対策セミナー・イベントを企画・運営、就職活動中の学生の支援を行う。