就活相談Q&A
就活に出遅れて焦っています
「友人のなかには内々定が出始めているという話を聞きますが、私はつい先日就職活動を始めたばかりです。自業自得とわかっていますが、書類作成とエントリー先の選定と、同時並行で進めなければならない状況に、気持ちばかり焦ってなかなか先に進めません。」
作成:DODA新卒エージェント事務局, 2016.03.30
まずは「企業選びの軸」を考えましょう。
焦る気持ちに任せて目についた企業にむやみにエントリーしても、その後のES提出段階でつまずくことになる可能性が高くなります。最初は少し回り道に感じるかもしれませんが「自分の強みやこだわりは何か?」「自分が働く上で大切にしたいものは何か?」(自己分析)と、「どのような人たちの役に立ちたいのか」「それを実現できる会社や仕事は何か」(業界・企業研究)をまず考えてみましょう。
- 興味:何をやりたいか(好きなこと、嫌いなこと)
- 強み(能力):何ができるか(得意なこと、苦手なこと) →その根拠として、経験から振り返ってみてください。
- 価値観:仕事や人生において大切に思っていること →経営理念や社風につながります。
- ライフキャリアビジョン:どんなキャリアを積み、どんな人生を送りたいか →5年後10年後の未来像を描いてみましょう。可能であれば、5年刻みくらいで65~70歳くらいまで描けていると尚良いです。もちろん作成後、未来像が変わっても問題ありません。
「(同業他社ではなく)この会社でなければならない理由」まで言及できると、志望動機に説得力が増します。業界・企業・職種研究と自己分析に基づき、志望する会社と自分との“接点”を意識して伝えましょう。次の4つの要素が組み込まれていることがポイントです。
- 【自己分析】
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- 「私は貴社で●●に取り組みたい」とビジョンを伝える
- なぜ、そのように思ったのか“根拠”を伝える →経験に基づく根拠であれば説得力が増します。
- その目標、ビジョンを達成するために、なぜその会社でなければならないのか
- 自分のどのような長所・スキルを活かして活躍したいか
- 【業界・企業・職種研究】
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- 業界全体の把握(業界地図)と最新情報チェック(新聞等)
- 企業研究:会社ごとの違い(事業内容、主力商品・サービス・価格帯、主な顧客層、経営理念、売上、利益、従業員数など) →企業ホームページ、就職四季報、ナビサイトなどで確認してみましょう。特に経営理念は同じ業界でも大きく違う場合があります。
- 職種研究:説明会参加、OB訪問、企業ホームページやナビサイトで紹介されている先輩社員の情報などから仕事内容、体験談 →幅広い業界で活躍している職種もありますが、限られた業界にしかない職種もあります。また職種名は同じでも、業界や企業ごとに仕事内容やスタイルは異なっていることがあります。
★情報収集する際のポイント:「現在企業が取り組んでいること」ではなく、「これから」企業が取り組もうとしていることに着目してみましょう。企業は「5年後、10年後に会社の主戦力になってほしい」と期待して新卒採用を行っているため、5年後、10年後の注力領域が任される可能性があります。※情報収集先:「株主公開情報」「IR情報」>「決済短信」「株主説明会資料」「アニュアルレポート」等
就活初期段階では社風を理由にエントリー対象から外すのは避けましょう。
エントリー企業を探す効率的な手段として、卒業生の就職実績がある企業から選定するのもお勧めです。現場のリアルな声を入手しやすいため、応募するかしないか、より正確な判断が可能になります。キャリアセンターに問い合わせてみましょう。
また活動当初はなるべく多くの会社説明会に参加し、視野を広げておきましょう。そして説明会参加後はそのままにせず、振り返って企業や仕事内容に興味を持った理由や逆に興味が持てなかった理由を分析し、自己分析や自己PRにつなげるよう習慣付けると、密度の濃い効率的な活動をすることができます。
尚、エントリー企業を絞り込む際に注意すべき点は、会社説明会の段階では「社風」や「社員の雰囲気」を理由にエントリー対象から外さないこと。社風とのミスマッチは転職理由にもなる場合があるため、長く働くためには重要な要件のひとつにはなりますが、社員数が多い大企業では特に、同一企業内でも部署によって多少雰囲気が異なる場合があります。よって会社説明会で出会う限られた社員で判断するのは少し早計です。就活当初の絞り込み要素は業界や仕事内容で行い、社風は選考を重ね多くの社員と出会うなかで判断しても遅くはないでしょう。